函館食道楽プラス

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伝説の喫茶ルポへ

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かつて、函館は今以上に喫茶店の街だったという。なんでも函館の珈琲の歴史は幕末まで遡るということで、箱館奉行所蝦夷地駐留の幕臣に薬として配給したのが最初だとかなんとか。

だからなのか、珈琲を飲ませる喫茶店は今も昔も人口に対する割合で見ると、たぶん多い。最近ではチェーンのコーヒーショップだとか、カフェだとか、そういうのが主流だけれど、やはりちゃんとした喫茶店で飲む珈琲はまた格別だ。

なんてことを書きつつも、撮影した写真は「アメリカンサンド」でコーヒーは写っていないわけだけど!この時、カウンターのあちら側では店主がネル式で珈琲を淹れている最中なのだ。

 

さて、漫画家杉崎ゆきる氏が現在コミックバーズに連載している「純喫茶ねこ」も、函館で純喫茶にこだわって営業している兄弟が登場する少し不思議な物語。

純喫茶といえば、やはり、憧れるのは老舗のお店。大門にある「モーリ」にも行ってみたいけれど、この日は五稜郭公園に桜を見に行った帰り道にちょっと強気になったので、一人で憧れの「喫茶ルポ」に入ってみた。

新聞記事や各種ブログ記事なんかによると、店主は函館の喫茶店全盛期時代に青春時代を過ごし、いまではまさに生き字引のような存在なのだそうで。そうなってくると、再開店したのは2013年ということなので、五稜郭病院の地下にあるお店と合わせると50年以上も店を開けているからこその常連さんや、独特の空気感はある。これは、流行りのチェーンカフェには無いもので、なんとなく気後れしてしまう場合もある。

中に入るとL字型のカウンターとテーブル席が3つ~4つ。L字型の広々としたカウンターの端にはノートや手帳などお店の備品が寄せられているが当然清潔で、人工的に造られた均整が美しい店よりも、なんとなく気安さが感じられる。

こういう生活感がある感じを嫌う人もいるが、個人的には少しホッとして。もともと猫背気味な背中を無理に伸ばさなくても良いような、そんな気持ちになれる。

特筆すべきは、このカウンターの椅子。なんてこと無いデザインの椅子で、決して座面もゆったりしているわけではないが、お尻から背中を包み込み、何時間でも座っていられるようないい塩梅。

ちなみに、こういったカウンターがある喫茶店へ一人で入った場合、そそくさとテーブル席に座るよりも、ほんの少し勇気を出してカウンターに座ってみるのがオススメ。たくさんの引き出しを持つ店主、そして昔からの顔なじみのお客さん。カウンターだからこそ、見知らぬ人ともなんとなく気軽に話ができたりして、様々な世代の話をなんとなく聞かせてもらえることが、なんともいえない喫茶店ならではの味。

確かに見知らぬ誰かと狭い街で袖をすり合わせるのは、面倒くさい部分もある。が、文字でやりとりしているだけでは味わえない、非言語的コミュニケーション込みでやりとりできるのは、やっぱり愉快で少し心が温かくなる感覚になる。

もちろん、珈琲の味もチェーン店のそれとは比べ物にならない味。スタバの珈琲もドトールの珈琲もタリーズの珈琲もコンビニで買える珈琲も飲むけれど、やーっぱりいいもんなのだ。

今回はそれほどお腹が減っていなかったので「アメリカンサンドとコーヒー(700円・内税)」を食べましたが、なんだか、ランチというか食事メニューが結構すごそう。近々食事にも行ってみようかと思っている。

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ぐるなび - 喫茶ルポ(函館/ケーキ屋)…場所などはコチラで。
定休日は木曜日で、およそ平日は10時~18時。日曜日などは12時からになるようです。