函館食道楽プラス

函館で食べたり、見たり、聞いたりしたことと、仕事の話とか。

ほぼ函館ロケの「わたし出すわ」をイルミナシオン映画祭で。

 面白かった。と、同時にインターネット上で出回るレビューにガッカリしたり。たぶん、この映画も、興行的に失敗したという森田監督の「キッチン」も、シアターで鑑賞してこその作品。作品が作り出す空気感が一番しっくり見ている人を包むのがシアターでの上映なのだと思うのです。

わたし出すわ [DVD]

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 それに加えて、世の中総ハリウッド化と言うには語弊がありますけれど、勧善懲悪スッキリとした一本のストーリーに毒された大衆が多すぎるのではないかと。悪いことは徹底して批判していじめ抜いて再起不能にする、そんな昨今の世相をよく表しているような気がします。

この作品にはいくつかの小さいテーマが潜んでいるように思います。

最後のオチというか、シーンというか、結末は、たぶん主人公マヤが本編を通して願っていたことが、遂に実現されたことなんだと思います。あくまで、私の解釈ですけれど、マヤがお世話になった人に大金を渡し続けること=禊(みそぎ)だったり、願掛けだったり、善行を積めば自分にとっての奇跡が起こるのではないか、と考えて動くことは神様の存在を暗に信じている誰でもが無意識にしてしまうこと、なのではないかと思うのです。

ちなみに、函館でロケをした場所、ほぼ100%わかったのでそれはそれで面白かったですw未来大も思わぬ形で出てきます。